アジアで人気が沸騰する9人組ガールズグループの少女時代。日本でもデビュー前の イベントに2万2000人のファンが押し寄せた。卓越した歌唱力とダンスパフォーマン ス、モデル並みの体形――。10代、20代のあこがれの存在でもある。彼女たちを手掛 けてきたのが韓国最大の芸能プロダクションのS.M.エンタテインメント。BoAや東方 神起を手掛けた立役者でもある。今なぜ、韓国アーティストが強いのか、その秘密を 探る。
2010年の上半期に、急激に盛り上がり始めたK-POPブーム。特に、女性のグループが 、各レコード会社から次々とメジャーデビューを発表し、エンタ業界内では「人気グループ○○が××レコード会社からデビューするらしい」などと、K-POP関連雑誌を片 手に、ウワサする姿がちらほらと見られている。
 こうしたなかで「“彼女たち”の登場で、K-POPブームはいよいよ絶頂を迎えるだろ う」という声があがっている。
「少女時代」歌って踊れる、容姿端麗ガールズ
 台湾、タイ、フィリピンの各種音楽チャートでも1位を獲得するなどアジア全域で No.1グループとして活躍している(写真左からサニー、ティファニー、スヨン、ソヒ ョン、ユリ、ユナ、ジェシカ、ヒョヨン、テヨン)。ユニバーサルミュージック内の NAYUTAWAVE RECORDSからDVD『少女時代到来 〜来日記念盤〜New Beginning of Girls'Generation』を発売、日本でデビュー。(写真:S.M.エンタテインメントジ ャパン) 「彼女たち」とは、「少女時代」のこと。9人編成のガールズグループで韓国では 国民的なスーパースターだ。ユニバーサルミュージック内のNAYUTAWAVE RECORDSから2010年9月8日にデビューし、それに先立つ8月には東京でショーケ ースライブも開催して2万2000人を集客した。卓越した歌唱力、モデル並みの体形、 大人数のメリットを生かした振り付けを特徴とする。 そんな彼女たちを幼いころから育成し、音楽制作及びマネジメントを手掛けている のは、日本でBoAや東方神起などをスターダムに押し上げた韓国最大の芸能プロダク ション、S.M.エンタテインメント。韓国におけるアイドルブームの歴史は、同社とともに発展してきたといっても過言ではない。

 90年代には「H.O.T.」や「神話」を中心とする男性アイドルグループのブームを作 り、他社も追随して同様のグループがしのぎを削った。そして2007年には、それまで 韓国の女性アイドルには無かった9人という多人数で構成する少女時代をデビューさ せた。それまでの“口パクアイドル”とは違う本格派の彼女たちが韓国内で人気を得た ことで、他社も一気にガールズグループに注力。2009年に、韓国ではガールズの大ブ ームが巻き起こった。

 日本でもエイベックスと組んでBoAをミリオンアーティストに育てあげ、東方神起 を大ブレイクさせる。そしていよいよ少女時代を日本に送り出す。
 S.M.エンテインメントCEOであり、日本法人の社長でもある、金英敏氏に韓国から アジアに向けてスターを売り出す秘訣と狙いを聞いた。
BoA、東方神起を日本で成功させたS.M.エンタテインメントの金英敏氏 私は12年ほど前、S.M.エンタテインメントに入社後、BoAや東方神起を日本でデビ ューさせるなど、彼らのアジア戦略を企画してきました。そして今回、少女時代とい う新しいグループを日本の方々に知っていただける機会を得て、とてもうれしく思っ ています。
 何か新しいことを仕掛けてみたいと思っていたなかで、8月に少女時代が東京・有 明でプレミアショーケースライブを開きました。初回盤招待券付きDVDは完売しまし た。でも驚きはありません。今の少女時代の人気であれば、このくらいのキャパシテ ィーを埋めることはできるだろうと想定していました。

 思えば、01年にBoAが日本でデビューしたときも、当時としては非常に新しいこと を仕掛けたんです。ショーケースは、六本木のディスコ・ヴェルファーレで行い、非 常に多くのプレスの方々にお集まりいただきました。豪華なイベントで、アジアの次 世代のスターとなる逸材であることを徹底的にアピールしたんです。
BoA、東方神起がデビューしたときは、韓国発のアーティストを日本で育てるという 発想であったのに対し、少女時代の場合は、すでに確立されたブランドを日本で広め るという戦略だと語る金英敏代表。その発想の変化の背景には、韓国アーティストの 日本におけるポジショニングが、この10年間で大きく変わっているという前提がある ようだ。

以前でしたら、BoAや東方神起は、日本語を習得させ、日本での活動を年間で最低6 カ月は行うなど、まずは日本で下地を作って、それからいよいよデビューという形を 取ってきました。
 しかし、少女時代の場合は、また新たな展開方法を模索しています。 ただし、活動する現地の言葉をできる限り話せるようにするというのは、弊社の従 来のアーティスト育成方法ですし、少女時代のメンバーには、堪能な日本語で会話ができるメンバーもすでにいます。メンバーの中の3人は米国からの帰国子女なので、英語も話せますし、中国語が堪能なメンバーもいます。

 今後、日本で少女時代がどのように活動するか、前述したようにBoAや東方神起と は別の方法でやっていきますが、もちろん日本での活動には十分重きをおいていきた いと思っています。ただ、今の段階では、従来のように、必ず年間6カ月は日本に拠点 を置く、といった取りきめはしない、ということです。

 メンバーが9人もいるので、あくまでも可能性としてですが、何名かが日本に特化 した活動をすることもあるかもしれません。まさにこれからの戦略次第で、彼女たち はその立体性、多様性を様々に発揮するでしょう。

GIRLS` GENERATION 「少女時代」

戻る

2010/10月ころの日本経済新聞ネットニュースから

GIRLS` GENERATION 「少女時代」
日本で「育てる」ではなく、ブランドを展開 少女時代が「勝つ」理由(2010/10)